あまりにも正直な英語のALT

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

あまりにも正直な英語のALT

中学校にいた英語のALT

私は現在33歳の会社員で、IT系の仕事をしております。今回お話するのは、私が14歳、中学生だった頃のことです。

当時、外国から英語のALT(外国語指導助手)の先生が何人か自分の中学校に来ていました。自分のクラスにも一人、アメリカ人の白人のALTが来ていました。20代半ばの青年でした。名前はマイケルだったと思います。

このALTが、ひょうきんで、歯に絹を着せずになんでもぶっちゃけてしまうというタイプの男で、生徒にはけっこう人気がありました。ですが、英語の担当の女性教諭W先生とは馬が合わないらしく、「W先生とマイケルはどうも仲が悪いらしい」ということが学生たちの間で噂されていました。

W先生は、すごく真面目で冗談の通じないタイプの女性で、しかもプライドが高いところがありました。おちゃらけていて、スクエアなものを小馬鹿にして生きているようなマイケル青年からすると、鼻持ちならないところがあったんだと思います。

そしてある日、事件が持ち上がりました。その日はW先生は風邪で欠席で、マイケル一人が教室にやって来ました。そして、今日はW先生が休みなので、フリートークで自分と質疑応答をしてみましょう、というようなことを英語で言いました。

中学2年なので、簡単な会話しかできませんが、生徒が挙手で質問して、マイケルがそれに応えると言う形で、授業が進んで行きました。そして、マイケルは「今日はW先生がいないから気楽にやろう、聞きたいことはなんでも聞いていいよ」と言いました。

その時に、クラスの中でもお調子者の生徒が、「マイケル、あなたはミスWが好きですか?」(Do you like Ms. W?)と質問したのです。あまりにも危険な質問に、クラス中がよくぞその質問をした、とやんややんやの大喝采で盛り上がりました。これに、マイケル青年はなんと答えたか?

10秒ほど困った顔をして、迷った挙句、さっと決心したかのような表情が顔に浮かんだかと思うと、きっぱりと一言。「No, I don’t!」文末にビックリマークがつくくらいの勢いできっぱりと答えました。教室中が、さらに湧きに湧いたのは、いうまでもありません。

私は、「ああ、やっちまったな、、」と思ったと同時に、これがアメリカ人というものか、とすごいカルチャーショックでした。ある種、感嘆と呆れと半々の気持ちでした。遠い異国に仕事で来て、言葉も通じない中、ほとんど唯一すがるべき仕事上の上司を、クラスの全生徒の前で「嫌いだ」と言い放つ自我の強さ。

もちろんそこには、少し冗談めかしたトーンであったり、教室の雰囲気に対するサービス精神みたいなものも加味されていたことは間違いありません。ですが、それを差し引いて考えたとしても、嫌いなものは嫌い、ノーのものはノーと言い切ってしまうこの自己主張の強さは、やはり欧米人ならではのものじゃないかと思いました。

日本人ならまず、職場の上司とうまくやらなきゃという意識が働いて、そもそもこの人嫌だなっていう感情はなるべく表に出さないものだと思います。

この日のマイケルの発言はもちろん後日、誰からともなくW先生の耳に入りました。冗談の通じないこの英語教師とマイケル青年の関係はさらに気まずいものになったことは言うまでもありません。

日本人特有のパチンコ熱

さて、もうひとつ、これは別の外国人から聞いた話ですが、外国人からみると不思議に見える日本の風習についてお話します。日本人のパチンコ熱というのは、外国人からするとかなり奇異なものに見えるようです。

彼はフランス人でしたが、パチンコ・スロットの店に行列している日本人を見て、あれ何の店?と不思議そうに聞いていました。また、パチンコ店の轟音にはびっくりしていました。フランスにはパチンコのお店がないので、初めてみる光景にびっくりしたようでした。やはり、日本と外国の違いは色々あるものだなと思います。