お知らせ

オンラインにて専門家研修を行いました。

契約書の条文の留意点など、信託法をベースにしつつ、契約書のカンどころを解説しました。

今回のテーマの一つは受益者代理人の設定を行うべきか否か。結論は慎重に判断すべき、です。
理由は民法上の「代理」とは異なり、受益者代理人を設定すると、本人の権限が大きく制限されるためです。

「代理」の場合は、本人は代理人と同じ権利を持っていますが、受益者代理人を設定した場合、信託法第139条4項により受益者は事実上、権利の行使ができなくなります。
同条同項「受益者代理人があるときは、当該受益者代理人に代理される受益者は、第九十二条各号に掲げる権利及び信託行為において定めた権利を除き、その権利を行使することができない。」

このように大きな権限があるため、受益者代理人の選定を行う際には慎重に検討します。
具体的には
・もともと権限をお持ちの委託者のお考えを良くお聞きすること
・家族会議を開き、委託者(受益者)の意向を共有して、信託契約の目的にズレが生じないようにすること(できれば委託者のお子様等の配偶者も同席)
・信託監督人設置の検討
等を行います。

2022/05/16