外国人ホステスさんとのエピソード

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

外国人ホステスさんとのエピソード


コンビニで働いていた時の話

これは、今から5年ほど前、コンビニエンスストアを家族で経営していた頃の話です。そのコンビニは、市の中心街にあったためか、色々な国の方々がお客様として来店しました。

特に多かったのは、店のすぐ近くにある繁華街で働いているホステスさんたちでした。深夜になると、10名ほどのキレイな女性たちが、香水の匂いを振りまきながら大挙して訪れます。まだ日本に来たばかりの娘たちが多く、日本語は片言です。

そんなある日、私が昼間勤務していると、ある外国人女性が国際電話用のテレホンカードを買いにきました。まだ日本に来たばかりの様子で、毛糸の帽子と肩が隠れるくらいの短いポンチョが印象的な、とても純粋でかわいい雰囲気の女性でした。

テレホンカードを購入する際も、ほとんど日本語が通じず、こちらが彼女と同じ国の方との接客対応があったおかげでなんとか理解することができました。彼女も、これでやっと母国に電話が出来ると思ったのでしょう、とても喜んで近くにある電話ボックスの方へ歩いていきました。

ところがしばらくして、私は大切な事を説明し忘れている事に気が付きました。国際電話のテレホンカードで電話する際には、裏面にあるスクラッチ部分を削って暗証番号を入力しなければ使用することが出来ないのです。幸い昼時でアルバイト従業員も多く在籍していたので、私は店を出てその女性が向かったであろう電話ボックスへ急ぎました。

電話ボックスに着いてみると、案の定、困り果てた表情で彼女が電話ボックスの中でしどろもどろになっています。「コンコン」と電話ボックスをノックすると、私の服装でコンビニの店員である事に気が付いたのでしょう。「あっ」という表情を私に向けてきました。

裏のスクラッチを削ることを伝えると、彼女は納得したようで軽く会釈をしてくれました。それを見た私は安心して店に戻りました。

再び来店

それから数日たった頃でしょうか。私が夜勤で店に出ていると、あの女性が友達と共に店を訪れました。ひと通り店内を見た後、彼女はやけにモジモジしながらレジにやってきました。隣に立つ友達もなにか意味深げな眼差しで私の顔を覗き込んできます。どうやら先日私が取った行為に好感を持ってくれたようで、何となく彼女が私に好意をいだいているであろう事を私も察しました。

その頃、私は夜勤をすることが多かったので、週に何度も彼女の接客を行いました。私は夜勤を一人で行う事も多く、常連客でまして外国人のホステスさんにもなると、私に対してとてもフレンドリーになり、やがてたびたび彼女からデートに誘われるようになりました。

彼女は日本人のお客様に比べるととても積極的で、客と店員と言う立場などまるで意に介していないようで、私に対し「結婚はしているか?」「彼女はいるのか?」「女性が好きなのか?」などいろいろな質問をぶつけてきます。

でも、お客さまは外国人ホステスさんだけではありません。時には日本人のお客様もその光景を目にすることがあります。ですから、私はそのことが少しうれしくもあり困ってもいました。

熱いアピールに戸惑う私

時にはお釣りを渡す私の手を握りしめたまま離さず目を見つめてきたり、酷い時は二階で仮眠をとっている私を起こせと言って帰らず、困った夜勤の子にブザーで起こされた事もありました。彼女はホステスさんなので、少しお酒が入っている事もあり、より積極的になっていたのかもしれません。

その後特に展開はありませんでしたが、彼女に言わせると「彼女もおらず、結婚もしていないのに、アピールして来る女性を受け入れない事なんておかしい」と納得がいかない様子でした。それまで外国の女性と接する機会がほとんどなかった私には、とても衝撃的な経験でした。