彼女すら本名を知らないのが当然!!  名前が長いタイ人ならではの珍事件

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

彼女すら本名を知らないのが当然!!  名前が長いタイ人ならではの珍事件

 

タイ人男性の履歴書の、あの項目がはみ出している!!

私は現在とある企業の外国語の通訳や翻訳をする部署で働いています。従業員のほとんどはアルバイトの外国人で、20歳前後の日本語学校や大学に通う学生から日本人と結婚して30年以上日本に住んでいるベテラン主婦、ワーキングホリデーで来ている20代後半の人などが多いです。多国籍なので毎日、中国語、韓国語、英語、タイ語など様々な言語が飛び交うにぎやかな職場です。

最近はタイ語の翻訳の仕事が増えてきたこともあり、新しくタイ人を採用する機会があったのですが、インターネットなどでアルバイトの募集をかけても、なかなかタイ人の募集が無く、通訳や翻訳ができるレベルのタイ人を探すのが難しかったため、既存のタイ人スタッフに知り合いを紹介してもらうことになりました。

数名いるタイ人スタッフの中で「私の同棲中の彼氏でよければ紹介できますよ!」という女性(Sさん)がいたので、Sさんがいいのであれば是非紹介してくださいということで話はトントン拍子ですすみ、後日採用面接に来てもらうことになりました。

採用面接の当日、Sさんと仲良く一緒に来た彼氏さん。早速履歴書を見せてもらうと、名前が長すぎて枠からはみ出してしまっています!まぁ、これはタイ人にはよくあることなので驚くことではないのですが。

やっぱり見慣れていても名前のアルファベットとふりがなのカタカナが物凄い長さで羅列されている光景の見た目のインパクトはすごいです(笑)

ご存知とは思いますが、タイの人の名前はとても長いことで有名です。私の職場の既存のタイ人スタッフたちも本名が長すぎて発音しづらいので、みんなニックネームを持っていてその呼び名で通っています。

子供の名前に想いをこめるのは、どの国でも同じ。

また、タイ語の名前には大抵の場合それぞれちゃんと意味があるそうで、日本人と同じように「こんな人になってほしい」とか「こんな風に育っていってほしい」といった願いを込めて名付けをする風習があるようです。ちなみに、Sさんの本名は日本語にすると「良い女」という意味だそうです。
日本なら「良子」「良美」といった

まぁ、それは置いておいて、Sさんの彼氏の話です。面接をして好条件だったのでその場で採用することになりました。採用にあたって、入社書類を何枚も書かなければならないのですが、その中に身元保証人の名前や住所を書く書類があり、Sさんと彼が同棲しているということだったので、Sさんにその場で記入してもらうことになりました。

彼氏の本名を知らなくても、タイではどうってことないのです。

Sさんが自分の氏名と住所、連絡先などの欄をスラスラと書き終えて、彼氏さんの氏名を書く欄になって、突然ペンが止まりました。私が「Sさん、どうしたの?」と聞くと、Sさんが「すみません。私、彼氏の名前、覚えてないんです・・・。」と爆弾発言(笑)

思わず「えーーーー!!??彼氏なのに?!」と言ってしまったのですが、どうやら同じタイ人同士といえど、普段から本名で呼び合うことはほとんどなく、いつもニックネームで呼びあっていたので本名をちゃんと覚えていなかったそうなのです。これは名前が長いタイ人ならではかもしれませんね。

もし日本人だったら「自分の彼氏なのに名前を覚えてないってどういうこと??」と大問題になりかねません。Sさんは彼氏さんの在留カードに書かれた名前を見ながら一生懸命書類に記入していました。名前が長いと大変ですね・・・。

繊細な日本語を訳すのは難しくて大変・・かと思ったら、超シンプル!

ちなみに無事採用になって一緒に働くことになったSさんの彼氏さん。初めての翻訳作業に毎日奮闘しています。

日本のお店で売られている食品や日用品の商品説明を翻訳していた時、彼がボソッと「日本の商品説明はどうしてこんなに細かいんですか?丁寧に説明することはいいことだけど、日本人はこんな食感とか成分とか効果とか生成方法とかまで気にして買い物してるんですか?」とため息交じりに言いました。

確かに、日本の商品の説明文って形容詞が多く、短い文章の中にできるだけたくさんの情報を詰め込もうとしているものが多いので、外国語に翻訳するときは結構大変なんです。

特に似たような意味の形容詞が続くと、日本語ではその言葉の微妙なニュアンスの違いが伝わるのですが、外国語にすると全部同じ単語に集約されてしまうということが多いです。

特にタイ語はそうらしく、例えば「舌触りがよく濃厚でまろやかなおいしさのプリン」という商品説明だったら、同じような形容詞を重ねて使うと回りくどくて伝わりにくいので、単純に「おいしいプリン」でOK!と言っていました。

タイ人からすると、日本人の丁寧で細かいところまで気遣う性格は素晴らしい、でもたまに細かすぎてまどろっこしい・・・と感じるようです。