おーい、それは盆提灯だぞ！
ギニアの留学生が日本を賛美していました。彼は３ケ月前に、日本語と農業の勉強で日本に来ました。
私が大家をしているアパートに住んでいるのですが、彼は日本びいきであり親日家です。
ある日、近くにあるIKEAへ家具を買いに行ったはずの新入りのギニア人の彼が 「超ファンタスティックなルームランプを見つけた」と喜んで私に説明するんです。何を買ったのか興味がわきました。
盆提灯（大内行灯）を買ってきて部屋に置いているではありませんか 。彼が言うには「ああ、何て美しいんだ。日本人の照明は素晴らしい」 とベタ褒めしながらたいへん喜んでいるんです。
これはお盆に死んだ人を迎える灯ろうであると説明するか悩みました。 彼の喜び方を見ると言い出せなくなりました。 ほどなくして彼は、別の留学生にも盆提灯を紹介し、その留学生も買ってしまったそうです。 それを自信満々に私に教えてくれました。
日焼けをなぜ止める？
自分が知らない生活習慣とか物に関心を持ちユニークに感じる彼は、非常に純粋で愛すべき人です。
彼は、日焼け止め、帽子、長袖長ズボンあるいはアームカバー、日傘、サングラスで夏場外に出ている人を興味深く観察しています。日焼けの、完全武装する人が多いのが不思議で面白いそうです。
日本では日焼けを気にする方が多いと思いますが、ギニアではそれはないようです。気候の違いか、はたまた今に重きを置くギニア人と、未来を重要視する日本人の価値観の違いか、考えると面白いですね。なにか根本が違うように思いました。
また彼は日本のアニメが大好きです
アニメ好きの友達グループがずっと東京旅行の計画を立てていたので、一緒に予定を組んで彼も同じ日に東京へ行きました。
「僕は東京に来たのが2回目だし、唯一日本語が話せたし、僕の仕事は全員分の少年ジャンプ展覧会の入場券を手に入れることだった。みんなジャンプの展覧会の面白さを耳にしてたから、実際に見たがってわくわくしたんだ。彼らが喜ぶところはドラゴンボールのカメハメ波などアクション的なところが忍者のようで素敵だ」と説明していました。ストーリーよりも、アクションが好きみたいですね。
他にはこんなことを言っていました。「一日目に割引チケット屋にみんなを案内して、僕が買って出てきたら、友達らがセーラー服姿の女子高生風の集団に囲まれてたよ。よく見るとそれが、アニメオタクのいかつい外人の女性が着ていたものだからから少し異様な感じだった。」と。
日本は人だけでなく、便器まで親切極まりないー感動！
日本人が親切なのは、世界共通認識になりつつありますが、実際に体験するとやはり驚くそうです。
彼が日本に旅行をした時に、大阪の飲食店でお好み焼きを食べられるか聞いたところ、ここには置いてないと言われたので、他のお店を探していたところ、さきほどのお店の店員が走って追いかけてきて、お好み焼き屋まで連れていってくれたとか。
例えばギニアの人は決して不親切ではありませんが、「聞かれたら答える」「頼まれたらできる範囲でする」というさっぱりとした性格のようなので、日本人が自分を犠牲にして頼まれた以上のことをしてくれると驚くようです。すごく感動したと言っていました。
また、親切で丁寧なのは人だけじゃないのがポイント。彼が最も感動したのは、自動で蓋が開き、便座は暖かく、温水シャワーは何通りも選べて、最後は乾かすところまでしてくれるトイレはやはり感動ものらしいです。
なんだか当たり前の事に感動しているとこちらは思うのですが、すごく驚いていました。
また電車に乗った時も、なんでもこの「３分遅れ」というアナウンスが流れてお詫びを言うのに驚いていました。「たった３分の遅れでわざわざ！」とギニアの電車の遅れを考えると親切すぎて面白いらしいです。言われると確かに、という気はしますね。
今に重きを置くギニア人と、未来を重要視する日本人の価値観の違いか、考えると面白いですね。なにか根本が違うように思いました。