行ってきます?お帰り?それとも・・・

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

行ってきます?お帰り?それとも・・・

NZでブラジル人ダーリンとの想い出

私は現在29歳のフリーターです。去年まで私はニュージーランド在住、1歳下の学生をしているブラジル人の彼と付き合っていました。私と彼はお互いの母国語をあいさつ程度のレベルで教えあっていて、時々思い出した時に使う程度でした。

私達が住んでいた家は、ニュージーランド人のご主人とタイ人の奥様のご夫婦がオーナーで、その部屋の隣にもう一人日本人のお兄さんが住んでいました。

ある時、その日本人のお兄さん家族が一度ニュージーランドに旅行に来るという事で、みんなで出迎えました。もちろん皆さん日本人ですので日本語ばかり。英語がわかるのはお兄さんとちょっとだけ私がわかるくらいなので聞きながら説明、という感じでした。

私の彼は時々私が教えた日本語を使いながら打ち解けていきました。
その日は私達も外に出かけようと約束していたので、来られた家族の方たちより先に外出する事になりました。

その時です。私の彼は先に出るので、日本人家族に「じゃあいってくるね」と日本語で言いたかったようですが、彼の口から出た言葉はー

「イッタダッキマス〜」

「イッタダッキマス~」

ご家族の方はぽかんとしており私も一瞬「え?さっき朝ごはん食べたよね?」と思ったのですがニコニコして手を振っている彼の顔を見て「あっ、いってきますか」とわかり、
「いってきます、ね」と訂正すると、えぇ?というような顔をしてすぐ「イッテキマッス~」と言い直していました。

あまりにも自然に「いただきます」と出ていたので家を出たあと笑ってしまい、「何を食べる予定だったの~?」と冗談で聞いてみました。
実際間違えた事は彼自身も恥ずかしかったようで大笑いしていました。

よくよく聞いてみると、「いってきます」と「いただきます」の音がとても似ていて、最初と最後の音がほぼ一緒なので咄嗟に絞り出したら「いただきます」が自信満々に出てきたそうです。

「いってきます」「おかえり」と「いただきます」「ごちそうさま」はセットで教えていたのですが、なかなかしっかり覚えていないようでごちゃ混ぜでしたが、そういった細やかな場面でも日本語を使ってくれたのがとても嬉しかったですし可愛かったです。

帰国し尚、思い出すこと

私はすでに日本に帰国していますが彼とはまだ連絡を取り続けていて、メッセージ上でも日本語を使ってくれます。この間は自分が家に帰り着いたのに「Itekimas」と打っており、何が言いたいかはわかっていたのですがこれからどこに行くの?と返すと間違えた事がわかったようです。

「ただいま」「おかえり」「いってきます」「いってらっしゃい」の誰がどれを言うのかも混乱しているようでした。

向こうにいたときに彼と一度日本に旅行に来た事があったのですが、自販機がどこにでもある事に感激していました。海外では駅やショッピングセンター内などにしかないので、路上でも飲み物が買える事に驚いていました。

また、私と彼は猫好きなのですが日本でしっぽの短い猫を見た時にとても驚いていました。なぜなら彼の国はしっぽの短い猫がほとんどいないようで、長いしっぽの猫しか見たことがなかったからです。

路上でしっぽが折れている猫を発見した時は、撫でながら「すごい!本当に短い!切られたんじゃないの?」と興味津々で何度もしっぽを確認していました。

最後にバレンタインの違いには私も彼もびっくりしました。ニュージーランドでバレンタインだからと薔薇の形のチョコレートをあげたら凄く申し訳なさそうに謝られてしまい、何故?と聞くと普通は僕があげなきゃいけないでしょ?と言われて唖然としました。

日本では、バレンタインに男の子から何かをもらった事なんか一度もありません!どうやら海外では男性が女性にプレゼントする日のようで、「僕は何もしてあげてないのに~」と落ち込む彼を見ると悪い事をしたなぁ、という気持ちになりました。