敬虔なイスラム教徒が秋葉原で目にしたものは?

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

敬虔なイスラム教徒が秋葉原で目にしたものは?

アルジェリア人の男たちと秋葉原を見学

私は47歳の会社員です。ウチの会社ではたまに海外からの研修生を受入れます。40代前半の時、私の会社では、アルジェリアから大学の研究員(技術系)を5名ほど受入れました。

ある休日、アルジェリアの人たちが、秋葉原に行ってみたい、と要望してきました。秋葉原と言えば、電化製品や「萌え系」のお店のメッカですが、彼らは技術屋なので、秋葉原には色々な電機部品が販売されているお店が沢山あるらしいのでそんなお店巡りをしてみたい、というのです。

それであれば、ということで彼らを秋葉原に案内することにしました。駅に着くと、まず、彼らがご希望の電機部品屋に連れて行きました。そこでは、各種スイッチ、抵抗器、電線などが多く並んでいました。

彼らは目をキラキラ輝かせながら、「こんな商品があるかお店の人に聞いてくれないか」と通訳をさせられました。彼らの質問は、当たり前ですが電気的な質問内容が多く、私は電気の専門ではないので正直何を聞いたらいいのかわからない質問も多々ありましたが、お店の人の協力もあり、何とか買い物を終わらせる事ができました。

「さすが日本だ、我々の国では売っていない製品、売っていても高くて買えない製品がすごく安く売っている」と彼らも大満足でした。思いの外、早く彼らの買い物が終わったので、秋葉原を案内することにしました。

電化製品には、興味を示しつつもスルー。

まず、電化製品のお店に連れて行きました。お店に行くまでは「多くの中国人が秋葉原で沢山電化製品を買っているというニュースは知っているけど、我々はそんな電化製品には関心がない」と言っていたくせに、お店に入ると今まで見たことがない、最先端の電化製品が安く売られていて皆大喜びで、色々な商品を見て回っていました。

そこでも色々と通訳をすることになり結構疲れました。結局彼らはそれ程お金を持っていなかったので、見るだけで終わってしまいました。

アルジェリアの男たちが後ろ髪をひかれる、それは・・

さて、次はどこに連れて行こうかな、と思いながら街を歩いていると、皆の足がピタっと止まりました。本屋の前です。「何か珍しい物あったのかな?」と思い彼らの視線の先を見ると、少年漫画など週刊誌が並んでいました。

あれ?週刊誌が珍しいのか?と不思議に思っていると、リーダー格の人が「こんな肌をみだらに出した女性の写真、出していいのか?」と少し怪訝そうに私に言ってきました。

私も何度かアルジェリアに行ったことがあり、多少知見があったのですが、確かにアルジェリアは敬虔なイスラム教徒の国です。女性が世間に髪を見せることさえ社会的に禁じられています。

まして水着姿のグラビアなんてものは考えられません。「ああ、確かにあなた方の国ではこんな写真、考えられないですね。良いか悪いか、文化の違いなのでよくわかりませんが日本では一般的ですよ」と答えると、「確かに文化の違いだよね。私たちは日本の文化を尊重する。だから日本にこんな写真があることを非難するつもりはない。しかし、我々の国では、信じられない破廉恥なものだ。」と言ってきます。

他のメンバーも、そうだそうだ、とそんなグラビアの存在を否定するような発言を口にし始めました。「まあまあ、そんな嫌ならとっとと他の場所に行きましょう」と促すのですが、彼らはその場から動こうとしません。

「この雑誌は表紙だけこんな写真があるのか?」と質問してきたので「いや、中には数ページ、同じような写真があるはずですよ」と答えると、彼らはさらにビックリした表情を見せました。

その後も「こういう雑誌は年1回しか出ないのか」とか「他にもこんな雑誌があるのか」色々と質問をぶつけてきます。質問に回答するのが疲れたので「そんな関心があるなら雑誌見てみれば?」というと「そんなことはできない。」と言うので、じゃあ、僕が見ますよ、と雑誌を広げると、みんな黙って私の後ろで雑誌のグラビアをじっと見ていました(他の人からすると、男性が固まってグラビアを見ている光景は異様だったと思います)。

帰りの車の中もその雑誌で話題が尽きませんでした。やはり男はどの国の人も好きな物は好きなんだなあと実感しました。