日本料理に感動の外国人

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

日本料理に感動の外国人

裸足のドイツ人

私は25歳の時に、オーストラリアへ留学をしました。
英語の勉強をしようと学校に行きながら、レストランでバイトをしていました。
その頃は仲良くなったドイツの友達と一緒にシェアハウスに住んでいて、私はその友達が人としてとても大好きでした。

彼は私よりも年下の23歳で、ちょうど同じ時期にオーストラリアへやってきました。友人の卒業パーティーに、彼も共通の友達として呼ばれていてそこから仲良くなっていきました。

彼はカフェでアルバイトをしながら、オーストラリアを満喫していました。
とても気さくなドイツ人。いつも鼻歌を歌い、陽気で好奇心旺盛でいつも私が何かするたびに『これは何?』と質問してきては関心していました。自分の国にはない文化に興味深々といった様子でした。

『一緒に散歩に行こう』と誘ってくれたり、こちらが『ビーチに行こう』と誘う前から準備をして待っていたりします。

彼はオーストラリアを満喫したいのか、いつでもどこでも裸足です。
そして気温がとても暑い日は足をパタパタさせながら散歩に行きます。
サンダルを履けばいいのにと思いますが、そこは譲れないポイントだと言っていました。負けず嫌いをこんな所で発揮しなくても。と、いつも思っていました。

お好み焼きを披露!

そんなある日の事、彼に日本料理を作ってほしいと言われ、私はお好み焼きを作る事にしました。簡単だしすぐできるしと思いクッキングスタート。ソースや中の具材は好まれるのかなと思いながらも、自分の母国の料理を作るのはやっぱり嬉しいし楽しいです。

作り始めて5分経ったときにはすでに彼はテーブルに座りスタンバイしていて『あとどれくらいかかる?』と待ちに待った様子で本当にかわいい弟みたいな感じでした。
焼き終わり、ソースをかけマヨネーズをかけ、鰹節と青のりを最後に散らして完成。

とその時、彼は『何か動いているよ。まだ生きてるよ』と言い出しました。
見たら鰹節が上で踊っていたのです。
私たちにとっては普通の事ですが、外国人からしたら不思議な光景なのでしょう。

彼はすかさず携帯で動画を撮影していました。写真じゃなくてお好み焼きの動画って初めて見たので私もついつい笑いがこみ上げてきました。そして自分でも鰹節をかけたいと言ってきたので、鰹節を渡すと少しずつ少しずつ鰹節をかけ、そのたびに『wow』と言い放ち、その日は何度彼の『wow』を聞いたかわかりません。

そして、ちょっと目を離したすきにあっという間にお好み焼きは鰹節で埋め尽くされていました。そこで絶対に、鰹節かけすぎだからとは言わず一緒に楽しく食べることにしました。

彼は鰹節の味も知らずどんどんかけていたけど完全に食べることを忘れてしまっていると思いました。想像どおり鰹節が口にパサパサひっついて食べづらかったですが、鰹節メインのお好み焼きといった味でおいしかったです。

彼も今までで食べた日本食の中で一番おいしいと言ってくれました。絶対それは言い過ぎだろうと思いましたがそんな素直な弟分はかわいいです。彼は何倍も上手ですね。

日本の電車のYouTube

彼はそれ以来、日本の文化に興味を持ちユーチューブで色々検索をしては、私に面白おかしく話をしてくれました。特に笑いが止まらなかったのは満員電車で駅員さんが乗客を必死で押していた姿の動画でした。

面白いからと何度も見ていましたがおそらくそれで再生回数がだいぶ増えたと思います。
電車に関しては他にもあり、日本の新幹線のスピードやかっこよさについても語ってくれました。日本にもしも行ったら、やりたいことの一番最初は新幹線に乗る事のようです。

そして何より日本人の礼儀の正しさや人に譲る姿はとても絶賛していました。
駅に行けば、必ず並んで切符を買う姿やホームで順番に後ろに並ぶ姿勢、電車内での席を譲る姿勢など、ほとんどが電車関係のことでしたが『素敵な文化だね』と言ってくれて嬉しかった事を覚えています。