中国人と中華街

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

中国人と中華街

工場で一緒に働いた中国人の同僚

私は現在33歳のフリーターです。今から3年前、当時働いていた自動車生産工場で、上司から「来週から中国人留学生たちが来るので指導してほしい」と言われ、急遽中国人の男性に仕事の教育をすることになりました。

急に外国の方と同僚になった私は、英語も中国語も話せないので、とてもとまどいました。彼らはまだ22歳という若さで、来日してまだ1年程だったので、日本語があまり話せませんでした。その中に1人だけ勉強熱心な子がいて、かろうじて片言の日本語を話せる程度でした。

言葉の壁に互いに苦労しながらも、毎日一緒に仕事をしていくうちに次第に仲良くなり、時には仕事帰りに近くの居酒屋さんへ飲みに行くようになったりして、少しづつコミュニケーションが取れるようになってきました。一緒に働いてちょうど半年くらいたった真夏の8月、中国人の1人が横浜の中華街に行きたいと言うので、お盆休みに合わせて会社の上司と一緒に観光に連れて行ってあげることにしました。当日は私と上司と、中国人留学生3人と計5人で出掛けました。その中の1人は片言の日本語を話せたので、道中通訳してもらいながら5人で会話を楽しみました。

中国人と横浜中華街へ

車で横浜に到着し、近くの駐車場に車を止め、中華街の中をしばらく歩きながら食べ歩きを楽しみました。私は、中国の人が中華街に来てもそんなに面白くないのではないかと少し不安を覚えながら、彼らの反応を見ていました。すると、まず最初に行った中華まんのお店の前で、キレイな女性がアツアツの中華まんを売っている姿を見た中国人の1人が、「キレイですね」「カワイイ」「好きです」と、中華まんではなく店員さんを笑顔で褒めたたえていました。店員さんはもちろん周りの人にも聞こえるくらいに大きな声で言ったので、なんて大胆なことを言う子だろうと驚きましたが、満面の笑顔と無邪気さが可愛らしくて笑ってしまいました。感情をストレートに表現するのは、外国人特有なのだと思いました。同じことを日本人がすると、チャラいとかナンパ?と非難されるのに対し、彼らが言うとなんだか微笑ましく思いましたし、言われている店員さんも嬉しそうでした。

その後も他のお店に行く度に、食べ物ではなく店員さんに「カワイイ」「キレイ」を連呼していました。彼らは終始笑顔で女性を褒めていて、それを見ている私も自然に笑顔になりました。これが日本とは違う外国人のおもてなし精神なのだと、上司も微笑んでいました。

たくさん美味しい物を食べて楽しんで、帰りも仲良く車で帰りました。その帰りの車中、彼らに、これまで日本で体験したことの中に、文化の違いを感じたことや、日本にしかないようなこと、驚いたことはないか聞いてみました。すると日本語を少し話せる彼が、他の子の通訳をしながら教えてくれました。

中国人から見た日本は

まず最初に教えてくれたのは、日本のお給料のことでした。日本は中国より月収が倍以上もらえる、中国で同じ労働をしても、半分以下しかもらえないということでした。具体的な金額を聞いてとても驚きました。たしかに中国人留学生達は毎日率先して残業をしたがるし、たくさん働いてくれました。こんなに稼げる日本は素晴らしいと言ってくれて、嬉しくありつつも、なんだか少し複雑な気持ちでした。

その話も中国の一部の若者たちの間で噂していて、日本で研修や教育を受けに来たがっている子が多いと言います。それだけではなく、日本の道路はゴミが落ちていなくてとてもキレイだと褒めてくれました。私は日本から出たことがないので分かりませんでしたが、道端にゴミが散乱していないのは日本くらいですと言っていて、そのことにも驚きました。なので、日本は外国人にとってキレイでとても住みやすいようです。

私はその話を聞いて、日本人としてとても誇りに感じました。