私の常識は日本の常識?

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

私の常識は日本の常識?

あらゆる国の人々と関わるなかで、自分らしく生きる。その感覚の違いに戸惑うばかりだった毎日。

 現在46歳の会社員です。このエピソードの体験時、私の年齢は40歳。もう一度、自分のやりたかった専門課程を学ぶためアメリカに渡っていました。

日本では、年齢を重ねるごとに勉強したり大学に行きなおしたりする機会は、なかなか持ちにくい現状があると思います。しかし、アメリカでは、多くの人がより良い就業を求めて、大学に行き直すことは決して珍しくありません。

例え家庭を持っていても、子どもがいても、チャンスがあれば学ぶ人は日本に比べて多いと思います。大学にいった私にも、すぐに主婦で子育てをしているクラスメイトの友達ができました。

彼女は30代前半、2人の男の子のママでした。子ども達はまだ幼く、キャンパス内にあるデイケアに通わせていました。

アメリカでは日本にいる時以上によく外食をしました。アメリカ人の多くが、家庭で料理なんてしないんじゃないかと思うくらい、朝は通勤通学時の途中でファストフードのドライブスルーに立ち寄り、ランチはコンビニやサンドイッチ屋さんのほかにもあらゆるレストランが人でいっぱいになり、また夜は夜で、ピザを買ったりデリバリーしてもらったりレストランで済ませたりという感じ。本当に多くの人々が外食を利用しているのでした。

そんな生活のなかで、私達もよく一緒にランチをしました。
キャンパス内にはスタバやサブウェイが入っていて、構内でよくランチをしました。
それは、仲良くなってしばらくしたある日の話です。

ランチ難民もしばしば・・

その日は早く授業が終わり、子ども達とも一緒にランチをすることになりました。
幼い子ども達と食事をするとなると、悩むのはどこのレストランに行くか?何を食べるか?です。

私は彼女にまかせ、決めてもらうことにしました。しかし、彼女は私に、
「何を食べたいか?」と聞きました。何でもいいよ!って、答えたいところでしたが、
私は外国人がこの、日本人の言う「何でもいいよ」が苦手なことを知っていました。

なので、正直に「メキシカンを食べたいな」と、答えました。彼女も、「私もメキシカンがいい!」というので、私達は近所にあるメキシカンレストランにいきました。しかし、あいにくレストランはいっぱい。

仕方なく近くにあるファストフードのメキシカンに行くことに。しかし、その店にはあるキッズメニューはメキシカンしかありませんでした。通常、フランチャイズレストランだと、料理の種類に限らずと、たいがいはアメリカンキッズメニューを置いていて、バーガーやチキンを子ども達は食べられるのでした。

もう時間もあまりなく、困ったなぁと思っている私に、彼女は、「先に注文していて!私はとなりのバーガー屋さんで、子ども達のものを買って来るから。」と言って店を出ました。

私は、車の中ででも食べるのかな?と思い、持ち帰り用でメキシカンを注文しました。テーブルで待っていると、彼女はバーガーを持って戻ってきました。続いて、彼女もメキシカンランチを購入。さぁ、店を出るのかな?と思っていたら、びびびび、びっくり仰天!

他店で買ってきた食べ物を、お構いなく広げる

何と彼女は、普通にテーブルによそで買ってきた某バーガーを広げ子ども達に食べさせ始めたのです。

日本ではありえない状況に、思わずことばを失いました。そして、あくまで普通に振る舞う彼女に、すごい!とさえ感じてしまいました。他人をじろじろと干渉しないお国がらなのか?特に彼女が冷ややかな目線を送られているわけでもありませんでした。

しばらくして落ち着いてから、他の店のものを持ち込んで大丈夫なのか?と、
彼女に尋ねました。「だって、この店には子どもが、好きなものが無いじゃないの。」という回答でした。

私は今も、これが彼女の常識なのか、アメリカで許されることなのかは知りません。
ただ、超日本人の私にとって、かなりの冷や汗もの体験だったことは間違いありません。
今となっては笑えるエピソードです。