まさか?こんな日に自転車で登場!元気なカナダ人のエピソード

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

まさか?こんな日に自転車で登場!元気なカナダ人のエピソード

昔、英会話スクールで・・

私は現在子育てに専念している35歳主婦ですが、27歳の頃は仕事に燃えていました。当時、仕事で英語のスキルが必要になり英会話を習うことにしました。その英会話スクールで私の先生だったのが、当時32歳のカナダ人男性です。

マンツーマンのレッスンだったので、英語の言い回しのチェックや文法は厳しく指導されましたが、カナダに帰省した時はいつもメイプルシロップやスナックをお土産に買ってきてくれる、とても優しい先生でした。

スクールは札幌の市街地にあり、先生は少し離れた自宅から自転車で通勤していました。格好いいマウンテンバイクで颯爽と走る姿はとても絵になっていました。夏はサイクリングコースを巡っているとも言っていました。

我が札幌より、極寒の上をいく国

しかし、札幌の冬は厳しいものです。12月になれば最高気温も氷点下がざらで、雪が積もればただ歩くだけでも大変なくらいです。だけど、先生は雪だろうが寒かろうがいつも自転車通勤でした。

ある日、すごい雪が降りました。降ると言うより、空から雪がどさどさと落ちてきて、みるみるうちに積もっていくような状況でした。立っているだけでも埋まってしまいそうになる中、持っていた傘をさしてどうにか歩いていると「ハーイ!」と声をかけられました。

驚いて顔を上げると、なんと先生が自転車に乗って近づいてくるところでした。ダウンジャケットを着て防寒対策はしっかりしているようでしたが、気温は氷点下、空から落ちるように降る雪、足元は積もった雪や氷でがたがたの悪路です。自動車でさえスリップしているのをよく見かけたというのに。

さすがに私も驚いて「先生、こんな日にまで自転車は危なくないですか?」と、たどたどしい英語ながら質問すると、先生は平然とこう答えたのです。「ノープロブレム!」と。

次のレッスンで詳しく尋ねると、先生はカナダのモントリオール出身で、そこは冬とても寒く、雪も多いとのことでした。気温はマイナス30度にまでなることもあり、それに比べれば札幌はそれほど寒くない、過ごしやすいよとまで言われて、開いた口がふさがらなかったです。

先生によると、モントリオールでは寒すぎて車のバッテリーが上がったり、雪かきが間に合わずに車を出せなかったりもしたので、雪の日でも普通に自転車に乗っていたそうです。

ちなみに札幌市民は、雪が降ると自転車は春まで封印だね~となるのが通常です。結局先生は冬の間中、どんなに雪が降っても自転車に乗り続けました。たまに転んだりもしたそうですが、雪の上だとそんなに痛くないよと笑っていたのが印象的でした。

冷えたビールは、万国共通ではない

また、このスクールではハロウィンやクリスマスにイベントがあって、近くのパブなど集まってパーティをするのが常でした。先生はギネスビールが好きで、水のようにぐびぐび飲んでいました。飲むといつも「日本のビールはどこのお店で飲んでも冷えてておいしいね~」と感心しているのです。

最初は意味がわからなかったのですが、カナダで飲むビールはぬるかった、というか冷えていても冷えていなくても気にせず飲んでいたとのこと!「ビールをこんなに冷やして飲むのは日本人とアメリカ人くらいじゃないかな~」と言っていたので、そういうものかなとも思ったのですが、よく考えたらアメリカとカナダは隣国同士。それでも、ビールの飲み方さえ変わってくるのか…と不思議に思った出来事でした。

そして現在、英会話スクールで・・

私は現在、結婚・出産を経て仕事も英会話もお休み中ですが、スクールからは定期的に近況を教えてもらっています。それによると、先生はやはり年中自転車通勤で、冷えたビールをごくごく飲んでいるとのこと。アラフォーになっても変わらない先生に、私は安心するやら驚くやらでした。