海の名前について

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

海の名前について

お隣の国のお友達―KOREAN

26歳、サービス業です。私には、元仕事の同僚で、韓国出身のお友達がいます。勉強熱心で日本語も堪能、仕事も誠実で頭が良くとても尊敬している友達です。日本と韓国というと、色々昔からニュースになることも多いですが、彼女の人柄がとても好きで、彼女にも色々な感情はあると思いますが、私と大変親しくしてくれています。

私と彼女は同い年です。同い年というと、やっぱり親近感をいだきますが、韓国ではひとつ年上ひとつ年下の差が、日本よりくっきりしているんですね、年功序列が。
だから、一個でも年下の子に最初からタメ口をきかれると、ムカつくと言っていました。

日本人は外国人というと、日本語が分からないのかと思って、タメ口を使うのかも。というと、いや、それならば良いのだけど、バカにしてるかしてないかは分かるよ、と言っていました。

私は、外国語をそこまで話せないからそういう経験もないけれど、言葉がどうこうではなくて、その人の話し方から中身が見えるというのは、きっとそうなんだろうなと思いました。

だからこそ、彼女は私以上に私達が同い年ということを喜んでいました。それがあまりの喜びようなので私もなんでか分からないけども、心から嬉しくなりました。

彼女と会ったのは二年前ですが、ビザの関係で違う会社に就職し仕事場こそ離れましたがその後、より一層親交を深めました。

田舎に泊まり、日本海の話題に

それは去年の夏のこと。私の実家は田舎にあるのですが、日本の田舎を紹介しようと思い、彼女を私の田舎に招待しました。といっても田舎なので特に何もないんですが。車の中で、日本と韓国の文化を話したり聞くのもすごく楽しかったです。

たとえば、日本でいう早口言葉がやっぱり韓国にもあって、それを言い合ってケタケタ笑いあっていました。

その日の夜も、女の子のお泊り会の鉄板ですが、ずっと話していました。そこで、私の父の実家の島の話しになりました。

「私の父の実家は島でね、ほら、日本海にあるんだけど…」と言った時、私はあることに気が付きました。私達日本人が「日本海」と言っている海、この海は韓国にも隣接しているのです。

私は何を考えるわけでなくこの海を「日本海」として受け入れていましたが、ちょっと待てよと思ったんです。どこまでが日本海なんだと。というか、なぜわざわざ日本と名前をつけたのかと。なんだか他の国とも共有しているものに日本と名前をつけていることが滑稽で、私はすごく悲しくなりました。

「あのね、日本海って言ってるんだけど、あんまり良くないね」というと、彼女もそれが分かったようで「そういうことすることもあるね」とだけ言っていました。

私が「韓国ではこの海はなんて言うの?」と聞くと「ただ、東の海、みたいな意味の呼び方をするよ」と教えてくれ、私は、その呼び方の方がずっと良いなと思いました。英語ではなんていうんでしょうね。調べていないから分かりませんが、なんてことない呼び方だといいなと心から思います。

国境を越えた個人対個人の関係を大事にしたい

彼女は、日本が過去に何をしたとか、そういうことは言いません。

もう、今の私達の世代では憎しみとか越えたところで考えなければならないんでしょうね。彼女はとっても日本が好きで日本人も好きだと言います。

韓国人はうるさいんだよ、私は日本ではうるさいほうだけど、韓国では静かな方なの。なんて冗談を言います。私自身は、韓国人より日本人に近いかも。とも言っていました。

日本は海外と比べ、やはり島国ですから外国人の受けいれに関しては壁があるように思います。そこが、日本がこれから考えていくところだと思います。外国の話を聞いていると、自分の国と同じところ、違うところが分かってやっぱりとっても楽しいです。

でも、合う合わないは人だから、国は関係ないのかなとも思います。ただ、彼女のような人がいるのだったら、と、その国にとても身近な気持ちを抱けて、興味を持てるというのはとても幸せなことだと思います。