オーストラリア人「日本人は痛いと笑うんだよ!」

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

オーストラリア人「日本人は痛いと笑うんだよ!」

看護師の私が事故!そこに優しいオーストラリア人の子供が寄ってきて

かれこれ…10年程前20代の頃、関東のベッドタウンで保育園の保健室の看護師として働いていた時の事です。

他の先生は皆さん保育士さんでしたし、1人孤独で仕事と言えば月に一度の定例会の参加と、保健便りの発行、急病の対応、朝のラウンドでつまりは時間を持て余していたのです。

その中でも私の心を和ませてくれたのは子供達の可愛い笑顔と笑い声でした。

土地柄的に転勤や出張で沢山の国の子供達が登園していましたので、珍回答のオンパレードな日々を送っていました。

その中でも楽しい魔法のおまじないの話です。

ち〇ちんぷいぷい!

保育園に登園して来る子は、ご両親が働いているご家庭が多く夏休みも登園して来る子達がいます。残暑厳しい夏のある日…その日はお盆と言う事もあり余り子供達が居なく

ずっと気にしていた保健室の大掃除でもするかな?と思い立った私は、先ずベッドスプレッドを替えようと、1人四苦八苦してベッドスプリングを少し持ち上げようとしていました。古いベッドでしたので金属のコイルが入っているのか?あまりの重さに手が滑りバランスを崩し勢い良く尻餅をついて背中と腰を打ってしまいました。

恥ずかしさと痛みに悶絶していると…その様子を窓から観ていたオーストラリアからやって来たニール君が駆け寄って来ました。

ニール君は年長さんのクラスのサッカーが大好きで何時もは園庭で他のお友達と元気に走り回っている子で、膝に擦過傷を作っては良く保健室に来ていました。
その日はサッカー相手も居なかったようで、お友達数人と保育園の廊下を暇潰しに歩いていた時に私を見かけて何か面白そうだと思ったらしく窓からチラチラ覗いていた様でした。

「せんせいダイジョウブ?ちんちんぷいぷい痛いよ痛いよ飛んでいけー」

と背中をさすってくれました。優しさと紳士な対応にとても感動したのですが…私とニールの周りにいた数人の子供達はそれよりも笑ってしまい痛いやら可笑しいやらの私を見て。ニールは不思議な顔をしていました…。

痛いと笑うサムライナース

ニール「mom、日本の人は痛いと笑うんだよ。」

ニール母「⁈えー日本人は強いわね〜」

ニール「ぼくなら泣くよ」

ニール母「サムライナースね」

ニール「保健室のせんせいはヤセッポチノサムライcool!hahaha…。」

と言う会話があったそうです。勘違いさせてしまって大変申し訳ございません。

ちちんぷいぷいのおまじない

私「ニール!昨日はありがとうね」

ニール「隣の家のおばあさんに聞いたおまじないなんだ」

私「ちちんぷいぷい、痛いの、痛いの飛んで行けーの事かな?」

ニール「Yeah! せんせい痛いのなおった?」

私 「おかげで痛いの忘れちゃったよ〜ありがとう。ニール、ちんちんは日本語でオシッコが出る体の場所を言うんだよ」

ニール「あははは〜だからワラッタんだ」

それからもニール君、人を笑わせる事に興味を持ちクラスのムードメーカーになり、感謝されたのがよほど嬉しかったらしく、笑える魔法の言葉をお友達や先生にかけてはあっと言うまに痛みを消し去って行きました。

日本仕込みのお笑いネタで、故郷のオーストラリアでも人気者に

冬の訪れを感じる12月、父さんの転勤期間が終わり故郷のオーストラリアに帰って行きました。帰ってからもニールはクラスの人気者になったようで、日本のお笑い芸人のネタで皆んなを笑わせたそうです。

今でもスーパーや家の前を同年代の子供達が通る度、皆んなきっと大きくなって中学生や高校生になっているのだろうなぁ〜元気にしているかな?とあの時を思い出しては、ふふっと笑っています。

ずっと子供達の病気や怪我をケアしている気持ちでいましたが、子供達にケアされ浄化されていたのは私の心だったのだなと思います。

我が家の魔法のおまじないは「ちんちんぷいぷいいたいのいたいのとんでいけー」です。