巨人の国、トンガの人のアテンドは大変です

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

巨人の国、トンガの人のアテンドは大変です

トンガの紳士はビッグサイズ!

私は会社員で、現在47歳です。私の会社はたまに海外、主に開発途上国からの研修員を受入れております。私が43歳の時だったと思います。トンガで、現地住民の生活支援のNGOをやっていらっしゃるトンガ人を受入れました。

彼は40歳でした。体重が200kg、身長も2mくらいある大男でした。彼を連れて飛行機である地方に行ったのですが、その際、彼のウエストが太すぎて席のシートベルトが入らない、という事態が発生しました。

フライトアテンダントの方はこのようなケースは初めてだったらしく、ただ、「お客様、太っていらっしゃるので、、、」と言うわけにもいかず、非常に慌てていらっしゃいました。

私は何度かトンガに行ったことがあり、トンガから航空便を乗る際、常に「予備のシートベルトが必要なお客様はお申し付けください」とアナウンスが流れて、そのたびに数名、予備のシートベルトをお願いされていたのを見たことがあったので、フライトアテンダントの方の慌てぶりをちょっと楽しんだ後、「予備のものがあれば貸してください」と行って事なきを得ました。

ちなみに席は1名分でなんとか乗ってもらいました。彼は巨体を何とか席に納め、すごく窮屈そうにしていました。降りたとき「日本の飛行機は小さいね」とグッタリしていました。ちなみに隣の席に乗っていた私も、席の半分くらいを彼に占領されていたので(私も結構中肉の体型なので余裕があった訳ではありません)、結構グッタリしました。

彼と飛行機内で接していた肩から股にかけて二人とも汗でぐっしょり濡れていました。その姿を見て、「お前、汗かきすぎだよ」、「いや、これはあなたの汗だ」とお互い笑いながらののしり合いました。

日本の小さな食事に、意気消沈

あと、彼と食事に行ったとき、彼は900円くらいのハンバーグステーキを注文しました。900円という値段を見て「やっぱり日本は価格が高いね」と言っていました。いざ、注文したハンバーグステーキとパンが来ると彼は「こんな小さいの?おまけにパンもたったこれだけ?」と大人の手のひらサイズのハンバーグとお皿に載ったバターロール2つを見て非常にがっくりしていました。

彼は一口、ハンバーグを食べると、「こんな美味しいハンバーグは初めてだ!」とペロリとそのハンバーグステーキを平らげてしまいました。私は彼をそれ程待たせるわけにもいかないので大慌てで食事を食べ終えました。

一段落して、いざレストランを出ようとすると「まだデザートが来ていない」と彼は言います。あれ、このハンバーグステーキにデザートもセットされていたかな?とメニューを確認するとやはりデザートは入っていません。その旨を彼に伝えると、「900円も払ったのに、ハンバーグと小さいパンだけの食事だったの?」とすごく悲しそうな表情をしていました。

確かにトンガで900円も払ったら山盛りのお肉が食べられます。日本人男性にとっては十分なボリュームがあったハンバーグステーキでしたが、やはり巨体の彼には少なすぎる満足感の低いランチになってしまったようでした。

補助食を携行し、しのぐことに

大男が食事の量が少ないと言って悲しそうな顔をしているのは、それはそれで結構面白いものがありました。ただ、そのまま空腹を我慢させるのもかわいそうなので、それからは、空腹対策に彼は袋入りのパンとハムを持ち歩くようにして、レストランで食事を取った後は近くのベンチに座り、持ち歩いているパンにハムを挟みかじりつくようになりました。

私も一応気を使い、一緒に食事をするときは量の多いレストランに連れて行くようにしていたのですが、彼を本当に満足させることは結局できませんでした。ちなみに彼と「量の多いレストラン巡り」を約3週間した結果(おまけに結構早食いをした結果)、私の体重は3kgも太ってしまいました。