外国人を迎えるのは難しい

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

外国人を迎えるのは難しい

日本に遊びに来てくれる外国人

私は60代の主婦ですが、以前にイギリスに住んでいたことがあるので、その時に知り合った友人がたくさんいてよく日本に来ると我が家によってくれました。

それはそれで懐かしく、楽しくもあるのでいつでも外国人の方々を歓迎しています。そのうちイギリスの知り合いの方からの紹介、または一度来たイギリス人の友人だという人からも、連絡が来て迎えに行くようなことがよくありました。

20代の外国人の男性から電話がかかってきたのも、そのうちの一つでした。ある土曜日の午後突然、オーストラリアから来たという男性から、電話がかかってきましたがあいにく夫は不在で、私が電話を受けたのですが、その男性は「マックスなにがしできょう東京についたので、できれば明日の日曜日に私たちに会いたいが、ホテルのそばの地下鉄の駅まで迎えに来てもらえないだろうか。」と言うのです。

私は「夫に頼んで迎えに行ってもらいます。」と答えて、もう一度名前を訊きましたが、英語が早すぎて、何回聞いても「マックス…、」としか聞こえません、仕方なく「明日の9時に地下鉄の駅でお待ちください。」と言って電話を切りました。

帰ってきた夫に話して「オーストラリア人で、名前がマックスさんだということだけしかわからなかった」と言いましたが、夫は「地下鉄の駅にオーストラリア人なんて何人もいるわけないから大丈夫だ。」と自信たっぷりに言うのでほっとして、日曜日の朝、夫を見送りました。

見た目は邦人、英語ペラペラ

ところが、9時になってもマックスさんなる人は現れず、夫はそうとう焦って周りをきょろきょろ見わたすものの、どこにもそれらしい人がいなかったというのです。夫はあきらめようと思ったそうですが、そばに人待ち顔で立っている日本人がいたので、「あなたも誰かを迎えに来たのですか。」と聞いてみたら、なんとその人がマックスさん本人だったのだそうです。

マックスさんはオーストラリア人でも中国系だったのです。私は彼の英語が完璧だったので西洋系と思い込んでいたのです。中国系の苗字だったので、後の名前が聞き取れなかったのは無理からぬ話でしたが、そんなことは想像もできなかったのです。

夫の機転で何とか会うことができましたが、そうでなかったらせっかく外国からやってきたお客さんに会うこともできず、彼には、日本は約束も守らない無礼な人がいるものだ、という悪いイメージを抱かせて帰すところでした。

世界中には英語を話す人はたくさんいて必ずしも、西洋人だけではないということを痛感しました。今、思い出しても冷汗が出ることです。

お付き合いをしていくなかで・・

彼は20代の青年で、日本に短期間技術者として働きに来た人だったので、その後何回も会いましたが、好奇心が強く、なかなかユニークな人でした。

我が家に来た時に私が車の運転をしていたら、「なぜ女性が運転するのですか。」と聞かれたので、「夫が運転免許証を持っていないので私が運転せざるを得ない。」と答えると、非常に驚いて「オーストラリアでは、男の人が車の運転ができないことは考えられない。」と言っていました。

また、レディーファーストの考えが定着しているらしく、私一人が台所に立って、夫はお皿を運ぶこともしませんでしたが、「どうして手伝わないのですか。」と少々不満そうに言っていました。日本人ならばそんなことは当たり前で誰も不思議がらないことだと思うのですが、彼にとっては許し難いことだったようです。

また、日本では、駐車場代が高いので都心で車を維持するのが大変だと話したら、彼曰く「なんで駐車場のお金を払うのですか、空き地に止めればいいでしょう。」広大な土地があるオーストラリア人には考えられないことだったようです。いずれにしても文化の違いはかなり大きいもので、あらゆる意味で外国人を迎えるのは難しいものだと感じました