インドネシア人の友人は日本人が狐を食べると思っていた!?

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

インドネシア人の友人は日本人が狐を食べると思っていた!?

大学で出会ったインドネシア人留学生

わたしは現在23歳の学生です。学部生時代に通っていた大学は比較的留学生が多い学校でした。なので授業には留学生がチラホラいましたし、休み時間は外国人大学生と過ごすこともよくあり、わたしは自然とインドネシア人のLくんと仲良くなりました。

私は当時20歳でした。そのLくんは当時24歳で、大学に入学する前に日本語学校に通って日本語を習得し、大学では日本人の私たちと同じように、日本語で専門科目の授業を受けていました。なので私は普段日本語で会話をしていても、ほとんど違和感を持つことはありませんでした。Lくんは日本のことをよく知っているし、頭がいいのでみんなから慕われていました。

しかしLくんは、たまにズレているところがあって、よくほかの国出身の留学生や、インドネシアから来ている留学生たちからもよく笑われていました。

 

肉入りきつねうどん事件

いつものように大学の食堂でみんなでお昼ご飯を食べようと並んでいたときのことです。食堂はカレーやオムライス、パスタやうどん、などいろいろなメニューがありました。

私がきつねうどんを注文しようとしていると、Lくんはこう言いました。「日本人はキツネを食べるんだね!」と。私は思わず笑ってしまいました。Lくんは、なんと入学してからずっと「きつねうどん」を、動物の「キツネ」の肉が入っているうどんだと勘違いしていたのです。

さらに「たぬきうどん」には動物のタヌキの肉が入っていると思っていたそうです。確かに、きつねうどんの油揚げは遠目からみると、キツネに見えなくもない……ような気がします。

私はもちろんすぐに、油揚げだと説明しました。もちろんLくん以外の留学生はそのことを知っていて笑っていました。しかし、「どうして油揚げのことを『きつね』と呼ぶの?」と聞かれると私も回答に困ってしまいました。

確かに、きつねは油揚げが好きなイメージはありますが、私も実際のところ、よく知らないまま「きつねうどん」と呼んでいます。日本語は日本文化と密接につながっていて、外国人にとって本当に難しいんだろうなと感じた瞬間でした。ましてや、日本語で普通に授業を受けることができるくらい、日本語が上手なLくんがこのことを知らないなんて。

他にも勘違いしている留学生がいると可哀そうなので、私はすぐに留学生をサポートしている職員に伝えて、なにか食堂に説明文を置くようにお願いをしました。

世界にはペットを食べる国がある

さらにこの話の面白いところは、Lくんが日本人がキツネを食べるということに違和感を感じていなかったことです。Lくんは、とても厳格なムスリムだったので、いつも牛肉や豚肉を食べないように気をつけていました。なので普段食べることができた肉は、ハラルの手順に沿って調理された鶏肉くらいでした。

しかし、Lくんによると、インドネシアにはイスラム教だけではなく、色々な宗教の人がいるそうです。そして他の宗教の人たちは、牛肉や豚肉のほかに、犬や猫などを食べることもあるそうです。なので、食堂できつねうどんを見かけてもいつも、「日本人はきつねも食べるんだなー」程度にしか思わなかったそうです。

私はそのことを聞いて驚きました。猫や犬なんて、日本ではみんなペットとして買っているのに!さらに一緒にいた他の国から来た留学生は、母国ではよくウサギを食べると聞いて、さらに驚きましたし、可哀そうに思いました。

しかしLくんから「でも鹿は食べるんでしょう」「鹿もかわいいのに」と言われて、世界の食用肉の事情は本当に難しいのだと感じました。

ちなみにその後、Lくんは無事に食堂で「きつねうどん」を食べることができました。