西洋人の男性は大変です

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

西洋人の男性は大変です

ホストファミリーは見た

何年か前にイギリス人の夫婦が日本に来ることになり、夫と二人で迎えに行きました。多分年齢は60歳ぐらいだったと思いますが何をするにも旦那さんは奥さんを先にし、荷物を持つのも旦那さん、お金を払うのも旦那さんの役目でした。

東京で地下鉄に乗った時のことですが、奥さんはすんなりと席を見つけて座りましたが、私たちと旦那さんは立っていました。しばらくすると席が空いたので、当然旦那さんが座るものと思っていましたが、彼はまず私に「あそこに席が空きましたよ、座りませんか。」と聞いてくるではありませんか。

そのとき私は30代の後半でどう考えても60代の彼が座るのが自然だと思いましたが、「いいえ、あなたがお座りください。」と勧めると、嬉しそうに「そりゃどうも。」と腰を掛けました。日本人なら聞くまでもなく老人が座ると思いますが、紳士の国では老人でも、まず女の人に席を譲らなければならないものなのかと驚いた次第でした。

また日本に一人でやってきた50代の男性を夫が迎えに行けないので、私一人で迎えに行ったことがありました。私は彼よりも若いし、日本人にしては大柄なので、荷物の一つや二つ持てるように手ぶらで迎えに行ったのでした。

彼は、大きなスーツケースを三つも抱えてやってきましたので、「一つ持ちましょうか。」と言いましたが、彼は「いいえ、大丈夫です。」と、二つのスーツケースを両手に持ってもう一つは足で蹴飛ばしながらホテルまで行ったのでした。

いくら大柄とはいえ女性に荷物を持たせてはいけないという幼いときからの教育が頭に残っているのだろうと思いました。多分私より痩せて小柄な人でも男の人だったら、彼も安心して「持ってください。」と言えたのではないでしょうか。

女性が動くのは不服。また、王様までも・・

オーストラリア人の青年が訪ねて来ていたこともありました。彼は中国系でしたが生まれた時からオーストラリアに住んでいる人だったのでやはり西洋式の考え方でした。

我が家に日本人の青年が10人ほど集まる機会があり一緒に食事をしたときのこと、日本人の青年たちは、女性のみお皿を運んだり料理を出す手伝いをしていましたが、男の人は座って話に夢中でした。

すると彼が立ち上がって女性たちの手伝いをし始め、「どうして日本の男性は手伝わないのですか。」と不満顔で言うのでみんな驚きました。西洋人の男性は台所の手伝いまでするとは、日本人の私はちょっと気の毒だとも思いつつ、内心うらやましいと思えるのでした。

また我が家は夫が運転免許証を持っていないので、いつも私が送り迎えをしたのですが、彼は非常に驚いて、女の人が車の運転をしてお客さんの送り迎えをするなんて考えられないと非常に不思議がっていました。日本人のお客さんで私の運転では不安で乗れないなどと言う人はいないのですけれど。

最近、イギリスの女王様の誕生日のセレモニーの動画を見たのですが、90代のフィリップ殿下が自分でも左手に杖を突きながら、右手で女王様をエスコートしているのには驚きました。自分一人で歩くのも大変なのに奥さんをエスコートしなければならなんて、なんだか気の毒な気さえします。

エスコートって大変としか思えない私、日本人。

西洋の男性はなんて大変なのでしょうか。西洋人の男の子は、子どもの時から女の子を大事にして、何をするにも先にやらせてあげて、荷物があればもってあげ、台所の手伝いも進んでやり、老年になっても席を譲り、杖を突いてでも女性をエスコートするのですから大変です。

日本人なら男性は荷物を持たなくても、席を譲らなくても、運転を妻に任せても誰にも非難されないでしょうし、台所仕事など全然しない関白亭主だって大勢います、日本は男性社会だからです。日本人男性は西洋人男性より幸運なのかもしれません。