ヨーロッパ人の愛の表現と好み

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

ヨーロッパ人の愛の表現と好み

娘の彼は、デンマーク男子

私は二人の娘を持つ59歳の主婦です。上の娘が5年前に外国語大学を卒業後、直ぐにデンマークへ留学し、デンマーク人の彼氏ができたのです。その後、娘は一年の留学を終え帰国したのですが、娘が帰国してから一年がたったころに、彼は娘を追いかけて日本へ一年間、日本語の勉強をするためやってくることになりました。

初めて日本を訪れ、日本語学校や住むところも決まり、落ち着いたころに彼は我が家を訪問することとなったのです。彼は娘が帰国してからも、娘の誕生日やクリスマスには必ず造花のバラを一輪添えてプレゼントを贈ってくれていました。

本当に日本人とは違って、ヨーロッパ人の男性は女性に花を贈ることが習慣になっているのだなぁ。と、実感しました。そして、我が家を訪れたその日も彼は、娘のために花を携えて玄関にたたずんでいたのです。

仏花なぞ知る由もなく・・

しかし、その両手で大事そうに差し出した花束は、なんと、白い菊と紫のリンドウと緑鮮やかな榊でできた仏花だったのです。娘も私も言葉を出せず、ただ驚き、受け取ることも忘れたたずんでしまいましたが、ふと我に返ると今度は笑いがこみあげてきて、又も言葉にならずに本当に困り果ててしまいました。

彼はそんな私たちを見て、きょとんとしていましたが、自分の間違いに気づく事もなく、ただ日本の花束を選んだだけのようでしたので訳が分からないようでした。

せっかく彼が娘のために日本の花を選んできてくれたのですが、我が家には仏壇はないので仕方なく普通の花瓶に入れることにしたのです。が、やっぱり仏花が花瓶に入っているのを見ると何だか違和感もあり、おかしくもありしっくりこないので、彼には内緒で榊だけを取り除き別の花も付け足して飾る事にしました。

こんな間違いが起きることが面白いというか、文化の違いや習慣の違いや価値観の違いをしみじみ感じた出来事でした。そもそもヨーロッパには仏壇の様なものは無いのでしょうし、菊が仏花として日本では重宝されていることを知る由もなく、そして、彼は日本語が理解出来なかったのと持ち合わせの日本円が少なかったので、立ち寄った花屋の店先にあったちょうど手ごろな値段のブーケを購入しただけだったのでしょう。

初めて我が家を訪問する日に、久しぶりに再会する愛しい人である娘に花を贈りたいという気持ちに免じてその間違いは笑い話になっていますが、一つ間違えれば大変なことにもなりかねない間違いです。

珍プレーにも慣れました。お次は、飲み放題とコンビニ唐揚げLOVEへ

その後も彼は何度となく我が家を訪問しましたが、靴を脱いで脱いだ靴を手に持ち畳の上にきちっと揃えておいていたり、すき焼きの中に卵を入れようとしたり、正座が出来ずに立膝だったり、その都度驚きの行動で笑わせてくれていました。

そんな彼も一年が過ぎるころには日本にも大分と慣れて、日本スタイルの居酒屋がすっかり気に入った様子で、特に日本にしかない飲み放題・食べ放題というスタイルは、大量にお酒を飲んでもビクともしないヨーロッパの人々にはパラダイスだそうです。

なぜ、そんなにビールを飲めるのか?なぜ、そんなに唐揚げが好きなのか?と言うほど良く飲んで良く食べても平気な顔をしています。飲み放題や食べ放題というスタイルが日本にしか無いのは、欧米の人々が恐ろしい胃袋をしていて、アルコール分を吸収できる体質にあることから飲み放題にしようものなら海外では一日で店が潰れるのでしょうね。

それにしてもヨーロッパ人の男性はロマンチックで、呑兵衛なのですね。今では娘もその彼と結婚をして、デンマークで暮らしています。一年に一回は二人で日本に帰ってきますが、その目的は里帰りではなく、居酒屋に通うことのようです。

そしてもう一つ、日本のコンビニ唐揚げを、食べ比べをすることの楽しみを覚えたようです。何が楽しいのか一向に理解不能ですが、日本の食べ物は本当に何でも美味しいのは間違いない様です。