知らないからしようがないよね。お葬式でお焼香を舐めちゃった!

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

知らないからしようがないよね。お葬式でお焼香を舐めちゃった!

アメリカ人が日本のお葬式で焼香した時のかわいい話

初めての”日本のお葬式”

近所のマンションに住んでいるアメリカ人のRさん(男性)の話です。

日本にきて3年目だそうで、日本の風習には興味があるものの、古い慣習などはまだよく分からない様子。ただ、ゴミの出し方や浴衣の着方などは、教えるとすぐに覚えてくれるのでとても安心できる人です。そんなRさんは、自分が住んでいるマンションの役員をしています。

実は数日前に、近所でお葬式がありました。そのお葬式の受付を町内会ですることになりまして、Rさんも役員として参加してくれました。受付といっても、葬儀場の入り口で名刺を受け取り、記帳のためのボールペンを渡すだけの作業です。

お葬式がはじまってしばらく経ち、弔問客も減ってきたので、私たち受付の者も交替でお焼香をすることになり、Rさんと私は一緒にお焼香に行きました。

焼香って、確かにわからない!

お焼香台の前で、ご遺族の方に私が一礼すると、Rさんも私を見て、一礼。私が手を合わせると、Rさんも私を見ておなじように手を合わせていました。そして、お香を目の高さまで持ち上げて、それを香炉に入れるわけですが、私の仕草を見て真似しているRさんは、お香を目の高さにまで持ち上げた後、どこを見間違えたのか、なんとそのお香を口の中に入れてしまったのでした。

あまりのことに、「Rさんちがうよ、目の高さに持ち上げた後、目の前の香炉に入れるの。これは食べ物ちゃうのよ。」と言うと、Rさんは顔を赤くして、涙目になりながら口の中を拭っていました。

目の前でいきなりおこった珍事に、喪主の方は、あからさまに笑うわけにもいかず、耳を赤くしながら2〜3回礼をして、こっちに顔を上げないようにしていました。
あきらかに笑っています。私の斜め前に立っていた奥さんも、平然とした顔をしつつ、下を向いて口に手をあてているので、もしかしたら笑っていたのかもしれません。

私はRさんの肩を抱いて列から離れ、「なんか口の中が変だよー」と言うRさんにお茶を飲ませ、なんとかRさんは元気を取り戻しました。

喪主の方も笑ってくれてほっとしました。

葬儀のあと、喪主の方から簡単な食事をいただいたのですが、そこで、喪主の方が、「Rさんは大丈夫でしたか」と心配してくださり、そこでまた思い出してみんなでくすくす笑ってしまっていました。Rさんはが「はい、もう大丈夫です。次は失敗しないです。」と明るく言ったので、またみんなで笑いました。

私は、Rさんが日本の風習に不慣れとはいえ、お葬式の最中に笑うようなことをしてしまって、喪主の方の顰蹙を買うかとすこし心配でしたが、そんなこともなく一安心でした。そうこうして、なんとかお葬式もおわり、Rさんは、「次は自分で黒い背広と黒いネクタイを準備しておくし、お焼香も失敗しないよ。」と明るく笑っていました。