日本のお葬式に参列した外国人の驚きの行動

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

日本のお葬式に参列した外国人の驚きの行動

アメリカ人男性と一緒に知人のお葬式へ

私は、現在42歳で、医療事務の仕事をしています。
今から10年ほど前、友人と、友人の大学時代の知人であり10年来の私の友人でもある36歳のアメリカ人男性の3人で、共通の知り合いのお葬式に参列したことがありました。このアメリカ人男性は、英語の講師をしていますが、日本語がほとんど話せない人でした。

亡くなった友人は、とても大きな家に家族で住んでいましたので、お葬式も自宅で行われることになっていました。私たちはその最寄り駅で待ち合わせをして、そのご自宅に向かいました。アメリカ人男性にとっては、初めての日本のお葬式です。私と友人は、あらかじめ彼にお焼香の仕方や遺族の方への挨拶の仕方、お葬式の流れなどを教えておきました。彼は「以前、テレビで日本のお葬式についてやっているのを見たことがあるから、多少はわかっているよ」と胸を張っていました。

さてお葬式が始まると、彼は、長時間の正座に辛そうにしていたものの、何とか火葬場まで遺族の方と行くことができました。しかし、火葬を済ませ、またお葬式を行った家にもどったところ、事件は起きたのです。

お清めの塩をわしづかみにして・・・

玄関には、遺族の方があらかじめ用意してくれたお清めの塩があり、皆、その塩で一人ずつ身を清めてから家に上がっていきました。私たちは、自分たちがお清めの塩を使う順番がきたら、アメリカ人の彼にやり方をしっかり説明をしようと思っていました。彼はと言うと、慣れない日本のお葬式で、火葬された遺骨などを初めて目の当たりにし、少し落ち込んでいた様子で、次は何をするのかと憂鬱な顔をしていました。

そしていよいよ私たちの順番となり、彼に塩の使い方を説明しようとした途端、彼は、思いもよらない行動をとったのです。彼は、「これなら、自分も知っているぞ」とばかりに急に元気になり、私たちの説明を振り払って、お清めの塩を片手いっぱいにわしづかみし、お相撲さんが土俵で塩をまくかのように、力いっぱい振りまいたのです!

後ろにいたもう一人の友人は、その塩を頭からかぶってしまいました。塩をまいた彼自身も喪服が真っ白になってしまいましたが、振り払おうともせず、そのまま部屋の中に勢いよく入っていってしまいました。

遺族の方も呆然としています。私は慌てて彼を玄関に引き戻して、塩を払い落させましたが、玄関は塩だらけになってしまいました。予想外の出来事に、私も唖然としてしまいました。

おそらく彼は、本当にお相撲さんの土俵入りと勘違いしたのだろうと思いますが、まさかお葬式の場でそのような勘違いをされるとは思いませんでした。後から考えるとおかしい話ですが、その時はさすがに笑うことはできませんでした。

釜飯の釜 捨てるなんてもったいない!

また、こんなこともありました。
そのアメリカ人男性とデパートへ買い物に行ったときのことです。彼はデパートの食品売り場で釜飯弁当を見つけて感激し、ぜひ食べたいというので、イートインコーナーで一緒に買って食べていました。すると彼は、同じように釜飯弁当を食べていた他のお客さんが、空になった釜飯の釜を包装紙と一緒に捨てている様子を見て、とても驚いた様子でこう言いました。

「なんで日本人は釜飯弁当の釜を捨てるのか。もったいないじゃないか。」確かに私たちは、駅弁などで釜飯弁当を食べても、その釜を自宅で再利用することはあまりないと思います。改めて言われてみると、確かにそうかもしれないと私も思いました。

彼はその後、自分と私の食べ終わった釜を家まで大切に持ち帰りました。彼は、釜飯を食べるたびに釜を取っておくので、彼の家には釜が山積みになっているとの事です。山積みにするほど取っておくのも大変ですが、日ごろ、この釜のように、立派なものでも簡単に捨てているものが日本にはまだあるのかもしれないと思いました。