シンガポールのキャリアウーマン
私は関東在住、３３歳の専業主婦です。２年ほど前の冬、私はOLをしていました。その時の話です。
私の一番の友人として、シンガポールでバリバリのキャリアウーマンをしている２歳年上の女性がいます。平凡なOLであった私に、なぜシンガポールの友人ができたのかと不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実は、海外のアイドルのファンをしているうちにSNS上で知り合い、ライブを一緒に見る関係になったのでした。とても現代的な友人の作り方ですが、彼女に出会えたことは私にとってラッキーでした。なぜなら彼女は優秀なので、しっかりお給料ももらっています。それを元手に、本当に多くの国に旅行したことがあり、知識や経験が豊富です。私はいつも彼女の話を聞くと、それが世界のスタンダードなのかなという錯覚に陥ってしまうほどです。そのくらい、彼女の経験や話し方は説得力があるのです。
そんな彼女とのエピソードが起こったのは、彼女が日本でのライブを見にきた時でした。彼女が宿泊しているホテルでの待ち合わせだったため、私はワクワクしながら彼女の部屋を訪れました。その日の早朝、日本に到着したばかりの彼女の部屋に入ると、短い滞在期間のはずなのに、とても大きなスーツケースを持って来ていることに私は気がつきました。しかも、その開かれたスーツケースを見たところ、中身はほとんどからっぽです。
空っぽの大きなスーツケース
「短い期間の滞在なのに、どうしてあなたはこんなに大きなスーツケースを持って来たの？ほとんどからっぽじゃない？」私は不思議に思って、理由を尋ねました。すると彼女は嬉しそうに、そして少し恥ずかしそうに笑いながらこう答えたのです。「日本はポテトチップス・パラダイスだもの。せっかく来た機会に、いろんな種類のポテトチップスを買って帰らなきゃ！」
彼女がありとあらゆる食に興味があることはよく知っていました。彼女は全く日本語を話せないのですが、なぜだか日本の料理名や食材の日本語名はたくさん暗記しており、一緒に日本で食事をすると、すらすらと名前を言い当てるので、こちらが驚くほどでした。ですが私には、なぜ日本のポテトチップスなのか？ポテトチップスなら、むしろ欧米ではないか？などと考え、彼女の答えてくれた意味がわかりませんでした。そこでもう一度、率直に質問をしてみました。
「私は今までにいろんな国を旅行してきたけど、日本のコンビニほどポテトチップスの種類が多いところはないよ！世界一だと思うよ！日本のコンビニで、棚にずらっと並んだいろんなポテトチップスのフレーバーを見ると、とっても興奮する！！」と教えてくれました。それを聞いて、私はやっと「なるほど〜」と納得しました。
確かに日本のコンビニは、店舗数も多く、ポテトチップスに限らず、品揃えも豊富です。しかも陳列がとっても美しいですよね。またポテトチップスなどのお菓子は、定番のものだけでなく、季節毎に限定味が発売されることも多々あります。それらがずらっと並ぶ姿は、海外の人にとっては珍しい光景なのですね。日本人が海外旅行などでコンビニに駆け込んだ時、品揃えにがっかりすることも多いですが、それは私が日本の便利なコンビニに慣れすぎているからなんだなぁと改めて実感しました。
ポテトチップス以外にも…
その他にも、20代男性の韓国の知人の話では、「初めて日本に来た時に驚いたことは、100メートル毎に自動販売機があることだ」と言っていました。「日本では喉が乾く心配がない」という彼の冗談には笑いました。そう言われて日本の街中を意識していると、たくさんの自動販売機がありますよね。これも日本独特の文化なんだな〜と改めて感じるエピソードでした。