日本に対する間違ったイメージ

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

日本に対する間違ったイメージ


ドイツ人の日本人に対するイメージ

私は現在、ドイツにワーキングホリデービザで滞在している二十代女性です。今月で滞在9か月目になります。ドイツでは、普段の生活で「日本」という単語を聞くことも、「日本」が話題になることも稀です。しかしある日のこと、バスの中でドイツ人中年男性の口から思いもよらない「日本」発言を耳にして、ツッコミを入れそうになったことがありました。

それは、ある夏の日の昼下がりの出来事でした。私は語学学校に通っており、その日もいつものように授業の後に少し自習をしてから下校しました。語学学校の最寄駅から電車に乗って自分の下宿先の街の中央駅まで行き、中央駅からバスに乗り換えて近所のバス停へ行き、そこから徒歩で帰宅します。

その衝撃の「日本」発言は中央駅からバスに乗る時に起こりました。中央駅は、乗り換えスポットとして機能しているので、だいたい電車の発着時間の前後はバスも混雑します。その日も、電車から降りてすぐの乗り換えだったためバスの前には長蛇の列ができていました。ちなみにバスは続いて3本くらい来るので、全員乗りきれなくても大丈夫です。

しかし、みんな早くバスに乗り帰宅したい気持ちは同じです。私は列の前の方にいたので1本目のバスに乗ることができました。後ろから続いてたくさんの人が乗ってきて、バスの運転手さんが、「もう一歩ずつお詰めいただけませんか?」と声をかけました。

しかし、ドイツ人は体格の良い人が多いので、バスの中にすぐコンパクトには収まりません。運転手さんが2回目の「お詰めいただけませんか?」を言ったその時です。近くにいた中年男性が、衝撃の「日本みたいに?」と言ったのです。運転手さんや周りの乗客数人はこの発言に軽く頷いて笑いました。

日本に関するイメージとしてはあるあるだけれども、私は、「どこがやねん!」とツッコミを入れたくなりました。というよりは、心の中でドイツ語でツッコみました。

まず、通勤ラッシュで人が押しつぶされて電車やバスに乗らなければならないのは、首都圏などの都会のみであるということ。そしてそれは日本に47も都道府県があるにも関わらず、その中でも狭い東京都に人口の10%以上が住んでいるからという特殊な事情があるから起こるだけであって日本全土のことではないということ。

また、それ以前に何よりもまず大きなツッコミポイントだったのは、そのバスはぜんぜん満員ではなかったことです。私の見た限り、東京の基準ならその2倍以上の人数は乗れたはずです。日本への間違った偏見でおじさんが笑いをとったことには衝撃を受けましたが、日本が海外からこう思われているのかと興味深くもある出来事でした。

他にもある、日本への間違ったイメージ

満員電車だけでなく、ドイツ語の語学学校でよくクラスメイトから聞かれた日本への偏見もありました。例えば、日本の子供たちは夜遅くまで勤勉に詰め込み学習をしていて、休憩時間にはみんな机に伏せて寝ている。机で寝るのは、疲れるほど勉強したということを示す証だ。という話です。

私はいつの時代の話をしているのだろうと毎回聞くたびに思います。事実関係は分かりませんが、おそらく高度成長期に日本が世界に注目されるようになった当時の印象でしょうか。私は、そんな時はゆとり教育が政策として行われたことと、少なくとも私はその世代後期の人間なのでそんな学友は見たことがないと説明しています。

その他にも、外国人の友達が笑顔で、日本語では「ニーハオ」と言ってこうして挨拶をするんでしょう?と合掌のポーズをしていたりしました。言葉も動きも間違っていて、思わずクスッと笑ってしまいました。

これからのドイツ生活でも、思いもよらない外国人からの発言に出会うことでしょう。どんな発言が飛び出してくるのか楽しみに過ごしたいと思います。