「日本のメロンソーダは、ちゃんとメロンの味がする!」といった外国人宣教師

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

「日本のメロンソーダは、ちゃんとメロンの味がする!」といった外国人宣教師

メロンソーダを愛しすぎた彼との出会い

これは、私が専門学校に入学するために上京して、間もないことでした、私はそのころ21歳、その外国人の彼は19歳(だったと思う)でした。
彼はキリスト教の宣教師として日本にやってきて、2年間奉仕をするという目的をもって日本で活動していました。

ある日、その宣教師の彼と一緒にお話をする機会がありました。その日はじめじめと暑い日で、私はコンビニで冷たい飲み物を買って飲みながらいきました。そして、彼に驚きの一言を言われました。「私はメロンソーダが大好きだけど、今まで飲んできたメロンソーダの中で日本のメロンソーダが世界一うまい!」と、大きな声で私に言ってきました。

私は正直驚いて「日本のメロンソーダもあなたの母国と同じ成分しか入っていないと思いますよ」といいました。しかし彼は、またさらに「日本のメロンソーダにはメロンが入っているんですか!?」と言ってきました。

確かに日本のメロンソーダは、清涼飲料等を販売しているメーカーごとにありますが、その違いについてここまでメロンソーダに興味津々で愛情がある人には会ったことがありませんでした。日本人の中にもメロンソーダが大好きな人もいますが、わたしは彼のようにメロンソーダを愛する人を見たことがませんでした。

日本のメロンソーダはメロンの味がするらしい

私は、思いました。「日本のメロンソーダの技術力は、世界でも評価されているのか」と。日本人が当たり前だと思っていることは、実は世界の中では非常に不思議かつ素晴らしい代物としてその評価の高さを示しています。

これが彼にとっては『メロンソーダ』だったのでしょう。私は、驚きと若干の喜びを感じていました(正直なところ驚きのほうが大きかったです)。

彼は、私に日本のメロンソーダのいいところ熱弁されました。「日本のメロンソーダは本当にメロンの味がする」「メロンソーダの色も自分の国のものと違ってきれいな緑色だ」「私は、召し(キリスト教では奉仕することを召しと言っているそうです)が終わって帰る前にメロンソーダを100本買ってから帰りたいです。」「日本のメロンソーダは素晴らしいです!」など、多くのべた褒めの言葉をいただきました。

日本ではひと昔、メロンソーダは自動販売機のメニューに含まれていて私は幼い体で精いっぱい手を伸ばしてメロンソーダを選んだものです。しかし、ここ最近では自動販売機や一般的なスーパーではほとんど見ることがありません。コンビニエンスストアの一角に少しあったり、ファミリーレストランや食べ放題のドリンクバーにある程度にまで見なくなってしまいました。

メロンソーダ好きの宣教師の彼が、がっかりするだろうなと思い私はその事実を伝えることはしませんでした。あのようなメロンソーダ好きには酷な現実だろうという考えからです。そして私は、彼がきっと日本のメロンソーダ事情を変えてくれるだろうと思い、彼と別れました。

最後に

私が思ったこととして、外国人は日本のことをあまり知らなかったり「日本人の食べ物には味がないですね」など日本食や飲み物、し好品には興味がないと思っていました。でも、それは違いました。

メロンソーダに限らず自分の大好きな日本を日本人に包み隠さず伝える事ができる外国人は、真の日本好きであり、それはもはや国を越えた外国人の容姿をした日本人であることではないだろうかと感じました。

私は彼がこれからも日本の文化を愛してくれることを願い、もっと日本の商品の良さを世界に広めて、普及させてほしいと思いました、そして彼が宣教師として成功を収めることができるようにと心の中でそっと願いました。