意外なフランス人

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

意外なフランス人

 

花の、フランス暮らし

夫の海外赴任に伴い七年ほど海外で生活をしておりました。私はその時ちょうど30代後半から40代前半でした。私は主婦だったのですが、海外での生活は夫婦で外国の人と触れる機会が多いのでいろいろな経験が出来ました。

主人の仕事が、フランスと現地の国と日本の会社のプロジェクトで、多くの多国籍の労働者が働いており、いろいろな文化に触れることができました。特にフランス人は、思い描いていたイメージとはずいぶんかけ離れていて、しかも驚くというより感心することのほうが多くありました。

想像の上のフランス人

まず私たちのフランス人のイメージとは、不愛想でちょっと意地悪で怠惰というか仕事嫌いとかいうイメージ(私のイメージ?)があったのですが、実際のフランス人は全くその逆で驚きました。

不愛想だと思っていましたが、彼らは、実に同僚に対してもいかなる人種に対しても、しっかりきちんと挨拶をするということです。

私たち日本人は、非常に礼儀正しい民族と評判ですが、なぜかお店などに入っていくとき、何も言わずにしかも店の品物を勝手に触って、お店の人の話しかけも平気で無視しますよね。

しかしフランス人は、きちんと挨拶して入店し、お店の人に話しかけられたらきちんと返事をします。これって一般的(私的?)に考えて、フランス人と日本人のイメージと全く逆だなあと思いました。友達同士、同僚同士、会ったら挨拶もきっちり、しばらくゆっくりとかわしていました。

なぜか抱いていた、意地悪というイメージ・・

次にちょっと意地悪ってイメージがありましたが、私たちが出会ったフランス人はとてもボランティア精神が旺盛であり、お互い話していて尊敬できるものを持っている人には決して意地悪なことはしません。

主婦でも、しっかり家事に誇りをもってこなしている人、仕事にしっかり責任をもってしている人に対しては話をする相手としてみとめてくれます。主婦なのに家のこともせず、愚痴ばかり言っているような人はあまり相手にされません。

それと、人生を楽しもうとする人はお互い尊重します。仕事に関して労働時間でも非常に効率がよく、合理的に仕事をしているようです。主人曰く、日本人より短い労働時間で同じ仕事をこなしてしまうとか。

考え方がとにかく合理的なのです。だから、定時に帰ることができ、有給もきっちり取れるということなのでしょう。以前の私のイメージだと、仕事も適当に済ませてバカンスという感じだったのですが、実はしっかり休むために、しっかり働いていたのでした。

それと彼らは、他人のお休みにも非常に寛容なのです。日本人の場合、お休みをとるというと少し遠慮がちに言ったとしても、あんまりいい返事がもらえないようですが、彼らは「あ、いいわね。楽しんできて」と非常に好意的なんです。妬まないんですね。

しっかりやるべきことを済ましている人に対しては。私は仕事をしているのに、とか言われることはないらしいんです。まあこれも、休暇は取らなければならないというお国柄なのかもしれませんが。

しかし、内心は・・

ちょっと話は変わるのですが、私たちがとっても仲良くなったフランス人の女性がいるのですが、私たちがフランスへ旅行に行った時もいろいろ案内してくれたり、その方も日本に彼氏と旅行に来たり、一緒にあちこち観光案内をするような仲だったんです。

一昨年、一緒に富士山に行ったのですが、梅雨時で天気も悪く全く富士山も見えず、仕方がないので5合目まで車で行って写真撮ったりしていたんです。その時、目の前に観光用の馬がいたんです。

彼女フランスでは、馬を持っていて乗馬が趣味なんですね。だから私も彼女に「日本の馬に乗ってみる?」って聞いたんです。そしたら彼女なんと「日本の馬は釣り目なの?」って。

手で目をちょっと吊り上げて見せてくれたんです。もう旧知の仲だとは思っていたし、彼女も何の悪気もない発言だったのでしょうが、私はちょっと驚きました。

この釣り目というのは、彼女の東洋人のイメージなんでしょうね。やっぱり、国が違えば価値も違うということで、旧知の仲であるから流せても、そうでないとむかつくとかあるんでしょうね。