外国の美味しい食材を教えてくれた学友

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

外国の美味しい食材を教えてくれた学友

留学生が手品のように次から次へと取り出した食べ物

私は現在43歳ですが、今でも時々思い出す外国の方との交流があります。

その外国の方と出会ったのは20歳の大学生の時で、相手は同じ大学に通う韓国の方で同じ20歳でした。大学には色々な外国の方が学びに来られていて、とても刺激的でした。

アジア系の方はお話してみないと日本人との区別がつきにくいのですが、授業中に積極的に発言される方に外国の方が多く、その外国なまりの日本語で外国人留学生と気づきました。

ある時、彼と昼食を共にする機会がありました。彼を取り囲むように日本人の学生が集まりました。外国の方はそんな様子に怖気づくこともなく、とても堂々とされていたのが印象的でした。そして、ご自身を中心にお話を積極的にされていて、まるでその人のショーを見ているかのような場の雰囲気になりました。

そんな様子で昼食を摂っていたのですが、そのうち、その韓国人留学生は、鞄の中から自国の食材を取り出し、昼食と一緒に食べ始めました。いきなりだったので、それを見た周囲は一斉に笑いました。ですが、続いてみんなそれは何かと興味津々に…。私を含め、周りは質問攻めにしました。

それはその方の国のご飯のお供のようなものとの説明で、皆にもご飯と一緒にどうぞと勧めていました。皆が口をそろえて美味しいと言うと、また鞄から他の食材を取り出して自国のものを色々勧めてくれました。

皆が質問して、説明を受けて、喜んで食べていると、ではこれは?と彼は次々と鞄の中から手品のように食材を出してくれるのです。ご飯のお供の他に、カップラーメンやスナック菓子なども出して、その場で食べさせてくれたり、あとで食べてねと渡してくれたりしました。

異国のデザインや食材は興味深く、その国の人から貰ったということも、とても嬉しく貴重なものと感じさせてくれました。

韓国の食品が美味しくて、癖に。

帰宅後、彼からもらったものをいただきました。正直変わった味がするのではと恐る恐る食べてみたのですが、とても美味しくて感動するほどでした。

私が気に入ったものの一つは麺類でした。日本のものより太くて縮れていて、麺そのものの味も強くてまた食べたいと思わせる、クセになる味でした。付属のスープも美味しくて、普段麺類のスープはほとんど残すのですが、完食したうえに、おかわりも欲しくなったほどでした。韓国の食事は美味しいと、大きく印象がついた体験でした。

それからというもの食材を買い物に行く時は、韓国の食材や貰ったものと同じものはないかと探すようになりました。お店で見つけては、たくさん購入して毎日のように食べていた時期があります。

そんな話をその外国の友人にお話しするととても喜んでいて、後日また自国の食材を色々持って来てくれてプレゼントしてくれました。休暇で帰省した後、自国を出発する時に日本人に紹介してあげようと思って持って来たとのことで、その心遣いも嬉しく、ありがたくいただきました。

お返しに日本らしいものをさしあげようといろいろ考えたのですが、同じ食品類なら喜ばれるかもしれないと考え、と日本ならではの食品を考え、選んで渡しました。すると、とても喜んでくれ、さらに家で食べた後にとても美味しかったと感想を述べてくれて、そのうえ自国の家族にも送ってあげたとのことでした。

食べ物にも配慮にもお国柄を感じました。

面白いのは味の差で、日本の食品は薄味で上品なものが多いと言っていました。
私にとっては韓国の食品はやみつきになりそうな程刺激的だったのですが、その外国の方からは日本の食材は刺激が少なくて、それはそれで、ある意味刺激だったようです。また、お値段の差が大きいことは双方意見が一致しました。韓国の食品の方が断然安いのです。

量も若干そちらの方が多めでお得感があるとこちらの感想なのですが、その外国の方は控えめな量で相応のお値段でそれがまた品があるとの感想でした。それも、見方が違って面白い体験でした。 住む場所や食べるものの違いで見方や価値観は随分異なるものだと実感したものです。

その後、その学友は自国に帰られました。ですが、いまだに交流があり、時々その時に美味しいと感じたものを私に送ってくれます。そんな配慮も素敵なお国柄だと思いながら、一方で、こちらも日本の印象も良くしようと、いろいろ考えながらお礼の品を送っています。