「コニチハ」でスイス人の彼氏ができた!

クスッ、ほっこり、外国人あるある話

「コニチハ」でスイス人の彼氏ができた!

ワーホリでオーストラリアへ

私がオーストラリアにワーキングホリデーで行った時の話です。オーストラリアには、場所によっては日本人だけで集まっているところもありますが、私は英語を覚えるために敢えて日本人があまりいない土地を選びました。とは言え、片言の英語しか話せない私はなかなか友達もできず、次第にホームシックにかかり、寂しい毎日を送っていました。

そんなある日、お土産屋でアルバイトをしていた私のところに、あるドイツ人の男の子がやってきました。彼の話によると、彼の友人に日本語を話せるスイス人がいるとのことでした。オーストラリアはヨーロッパからの旅行者が多く、滞在者のほとんどがアジア以外の地域の人で、みんな英語を話せます。私のように、アジア人でしかも英語も話せないとなると、友達を作るのも大変ハードルが高いのです。日本人に興味を持つ外国人がいるとなれば、それはもう是非ともお話がしたいし、できれば母国語の日本語で話したい。そう考えた私は、彼にさっそく紹介してくれるようお願いし、浮かれる思いでそのスイス人と会う約束をしました。

そのスイス人は、初対面でいきなりこう言いました。『コニチハ』。私は嬉しくて、『ハロー!日本語話せますか?』と英語で聞くと、彼はまた『コニチハ』と笑顔で返してくれました。「あ、この人は日本語を話せるのだ」と思うとうれしくて、「何歳ですか?」「名前は?」などと簡単な日本語でいろいろな質問をしました。けれど彼は何を聞いても固まったまま。でも、英語で聞きなおすとちゃんと答えてくれます。私は心配になり、もう一度『日本語話せますか?』と英語で尋ねると、彼はやはり笑顔で『YES!コニチハ!』と答えるだけでした。

「コニチハ」しか言わないスイス人の彼

そうです。彼は日本語を話せるわけではなかったのです。「コニチハ」という(こんにちは)挨拶を知っているだけだったのです。私は正直がっかりしましたが、笑顔でコニチハと近づいてくる彼を見ていると、自然と笑みがこぼれました。「それは日本語が話せるとは言わないんだよー!」と心の中でつっこみながら…。

それをきっかけにして、彼は私のバイト先に毎日来るようになりました。車でオーストラリアを旅していた彼は、私のアパートにもよく来るようになり、お互いの国の料理を作ったり写真を見せ合ったりすることで、直ぐに仲良くなることができました。私にとってもスイス人の友達は初めてで、彼にとっても日本人の友達はどうやら私が初めてだったようです。

あるとき、バイトでお金がたまった私は、彼と一緒に旅をすることになりました。車で見たこともない洞窟に入ったり、海で魚をみたり沢山の楽しい思い出ができました。バイト先で知り合いになった日本人の年下の女の子とドイツ人の彼も一緒に同じ方向を旅していたので、よく4人でクラブに行ったりカフェに行ったり美術館に行ったりと、国際色豊かな仲間達と語らい、行く先々でまたいろんな国のお友達もできていきました。

外国人からよく聞かれたこと

外国人からよく聞かれた質問は『日本人は腹切り(切腹)をするのか?忍者はどんな姿なんだ?』など、日本人の私からすれば「一体いつの話だ」と思うことばかりでした。また、出会った外国人について共通して言えることは、外国人男性はとにかく女性に優しいということです。アジア人の女性は年齢より若く見られることもあり、こちらが勇気をもって、片言でも積極的に話していれば、周りに優しく受け入れてもらえることが分かりました。

私は「コニチハ」のおかげでスイス人の彼をゲットし、とても幸せなワーキングホリディー生活ができました。日本のことを沢山聞かれたので、文化や歴史等を含めもっと日本のことを勉強しておけば良かったなあと思っています。